明日から学会でシドニーに移る。そして5泊したら、今度はアーミデールに移る。
この数日でキャンベラはほんとうの冬を迎えた。
朝は多分-5度くらいの極寒となり、
手袋を買わないと生きていけないかもしれない。
アーミデールはここ以上の寒さらしい。
冬と同時に、私にとってこの最後の週は本当に苦しくて、
いままでうまくいっていたこともいかなくなり、
色々な誤差が発覚し、違いに苦しんだ一週間だった。
自分でもどうして良いかよくわからなくて、
状況把握さえ難しく、いまだ、混乱状態にある。
私は哲学の事をほとんど知らずに認知科学から来た。
言語の問題もある。
同じようにmother languageが英語でない人はここにはたくさん居る。
ノルウェー、デンマーク、ドイツ、オランダ、シンガポール。
それなのに、彼らはなんなく英語を話す。
そんな中で、なぜ自分はここに居るのかということを、なんとか示さないとならなかった。
自分を主張しなければ、何も動かない世界。
そして、私以外のところではすごい速度で色んな事が進んでく。
気にかけてくれる人はいるけれども、そういう人に頼れば頼るほど、
周りの世界とはかけ離れていく。
日本とこちらの違いというのはとても難しい事だ。
当然、違う事は知っているけれども、
私にはこちらの人の考えてる事を推察する事は難しいし、
こちらの人にとっては私の考えてる事を推察する事は難しい。
理解してくれない、といってふくれるガキみたいな事をやってる場合じゃないし、
私がきたくてきてるのに、理解される事を求める訳には行かないし、
とにかく、なんとかしなければ、と思っているが、
例えば立食パーティーで、
自由に人が動き回り、あちこちで会話をしている中に、
なにか自分で話題を提供し場をつくることができなくて、
こういう事は難しいとか、自分の悩みを打ち明けるばかりでは、
何しにきたんだかわからない。
私にとってみれば、tea timeとかで、そこにただ座り、笑顔でいることだけでも、
最初は精一杯で、
だけど、そんなことは、こちらの人から見れば、多分、
自分からしゃべろうともせず、ただ居るだけで、なにしにきたんだという話だ。
今は、愛したい愛したいと思っても、混乱で、みんなのところへいくのが難しい。
しかし行くけれども。
自分がこの人たちの事をどう思っているのか全然解らなくなってしまった。
だけど、この状況こそが多分必要な一つの大きな試練なんだろう。
それに、くるんじゃなかったなんて思わない。
学んだ事を、明らかにわかってることだけでも、思い返してみれば、
私はとっても重要な事を掴んだ。
例えば、私はいままで、自分のお気に入りの物しかそばに置かなかった。
人もしかり。
そうして、自分の周りの物によって、人を納得させようとした。
気がついてみれば、装飾であった。
偽の装飾。
本当の輝きは、そんな中にはない。
そして、Davidの振る舞い。
ああ、思い出した、
彼はPCで傘でもなんでも、どこかへ置いて忘れてしまう。
周りの同僚が、なんとかかんとか考えて、
"ねえ、Dave, PCのカバーこれにするといいよ、ほらこんなに真っ赤で、絶対忘れないよ、これなら"
とか言いにきて提供している。
それで本人は呑気に、"梯子をのぼるとどうも、bad fortuneなんだ。梯子をのぼったあとにPCをなくして.."
とかいっている。
そして食事のときには注意しないと永遠に食べ続けてしまうために、Susanna
(彼女も4年前のシドニーのクルージングのとき私たちに会っていて、
アメリカの大学の哲学のprofessorだけどちょうどvisitorとしてきていた!)は
気がつくとDavidをただひっぱたいている。
curiosityとあの笑顔、
そういう宝物。
大学内の小さな本屋にはいったら、
なんか足が"asian" cultureのところでとまってしまった。
何冊か日本の事が書かれた本があって、
眺めてみた。
John F Howes著"Japan's modern prophet, Uchimura Kanzo, 1861-1930."
裏表紙に
"Uchimura Kanzo was one of Japan's foremost thinkers, whose ideas influenced contemporary novelists, statesmen, reformers, and relegious leaders. He lived at a time of increasing modernization and rapid social change. Known as the originator and proponent of a particularly "Japanese" form of Christianity known as "mukyokai",
Uchimura struggled with the tensions between his love for the homeland and his love for God. "
と書いてあり、
どうしても欲しくなって買った。
今日はこれをもって、一瞬大学を離れ、
これから、botanic gadenを散歩してランチをとろうと思う。
うん、天才的な思いつき。
昨日(アメリカ時間では今ごろ)はジローの結婚式だった。
ジローはやはり4年前にもぎラボにインターンで一ヶ月やってきたアメリカ人だ。
7,8年つきあった彼女Wenとの結婚式。
心から嬉しい。
Sunday, 24 June 2007
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