Sunday 17 March 2019

いくつか文章のお知らせ


文芸評論家小林秀雄さんを学ぶ塾、「池田塾」に通っています。
塾頭は、小林秀雄さんの担当編集者だった池田雅延さん。
塾頭補佐は、茂木健一郎さん。
池田塾の刊行しているweb雑誌「好*信*楽」1・2月号に載せていただいた文章
https://kobayashihideo.jp/2019-01/小林秀雄さんにいただいた向き合う勇気/

「第三文明」三月号のCLOSE-UPでインタビューを掲載していただきましたamzn.to/2t0yIyu

PRESIDENT Online
3月16日 「母が認知症になって脳科学者が考えたこと」https://president.jp/articles/-/27987
3月17日 「“アルツハイマー病で感情が消える”は誤解」https://president.jp/articles/-/27989


祖父の死

最後の投稿から三ヶ月も経っていてびっくり。。。

お正月、祖父が亡くなった。
祖父は、小さい頃、私に本を買ってくれた。
祖父は晩年アルツハイマー病を患った。
目は殆ど見えなかったし、耳も殆ど聞こえなかった。
しかし、私の本が出たとき、施設の方が、
「○○さんが絢ちゃんに本を買ってあげたから、絢ちゃんはこんなに立派になったのですね」と語りかけたら笑ったと、
亡くなった日、施設の方が私を抱きしめて教えてくれた。

亡くなってなお、○○さんお風呂入りましょうね(湯灌である)、○○さん着替えましょうね、と何をするにも声を掛けてくださった。
私も、祖父の髪にはじめてドライヤーを掛けた。
知らせでかけつけたとき、祖父はまだぜんぜんあったかかった。
生と死の切れ目なんかぜんぜんわからないことを教わった。

祖母に祖父の死を伝えたら、「泣くんじゃない。あんたは意気地がないね、90も超えて長生きして、ぜんそく持ちの体で、ほんとうによくがんばった、と私はほめてあげるよ。」と言われた。
骨の前で、「人はみんなこうなるんだよ。よくみておきなさい」と言われた。
祖父はあごの骨がしっかり残って綺麗だった。

「この人は文句一つ言わなかった。旅行に行ってもいつも私の荷物持ち。勝手は私の専門で、ほんとうにやさしい人だった。」

私たちは、お正月にお葬式もできず、年末に用意してしまっていた祝い膳をむしゃむしゃと食べた。

お葬式に友人が贈ってくれた花束をなんとか49日までと思ったら、
菊はそんなのあっさり超えて、つい一週間前まで元気に咲いていた。二ヶ月以上。

そんなこんなな三ヶ月だった。