音楽会から帰ってきたAに感想を尋ねると、
”前と同じ、上手じゃないの。”
二時間後夕食中に音楽会の話題になると、
”上手なのー。”
まったく困惑するが、
はたと気づいた。
両方本当なのかもしれない。
音楽会って一時間半くらいのもので、
その間には、上手な時間帯も、あまりな時間帯もあっただろう。
その間には、上手な時間帯も、あまりな時間帯もあっただろう。
どこに目を付けるかで色々かわってくるし、
やっぱり自分の気分次第で、
言うことが変わるというのも本当なんだろう、とおもう。
なぜなら、例えばわたしも金刀比羅宮の高橋由一館を歩いているとき、
最初はよくわからなかったけど、
二回目ははっとしたり、
三回目はまたわからなくなったり
なんのせいだか、
定まらなかった。
一つに、一つの見方なんて、
ロジックを通せなんて、
生なからだとしては、
嘘なのかもしれない。
そういえば丸亀の猪熊源一郎美術館で、
猪熊さんが奥さんの顔を一つのキャンバスに何個も何個も描いているのを見た。
描いているうちに、妻の顔が現れるかもしれないと思って描いた、
というような事が書かれていた。
色んな、色んな顔が描かれていた。
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