Thursday, 3 May 2007

小学校4年生のころ担任だった先生が、イタリアから帰ってきたばかりの方で、
私たちにとっては、遠い国の、いくつかの言葉を教えてくれた。
それからたくさんのイタリアの歌をギターで歌ってくれた。

その先生の発案で、私たちのクラスは、毎週、"Via Ohne (大根通り)"
(注:昔は私の住んでいるところは「大根(おおね)」と呼ばれていた。)
という紙一枚の通信を作り
クラスのみんなが俳句か詩をいつもいつも作って投稿し、
その中でいいもの数点が選ばれて掲載された。
しかも、その中の逸品、一つだけは紙面の一番上のところにでかでかと載った。
今週は選ばれなかった、今週は選ばれた、すごくどきどきして、
いつも楽しみで楽しみで仕方なかった。
(学年の終わりにそれが文集になった。)

一度だけ、その特別な場所に、私の俳句が載った事がある。
じゃじゃーん

「虫あみで とってみたいな 空の星」

私は知らなかったのだけど、先生は、私たちのものを全国の子供俳句コンテストに出してくださっていたらしい。
一年ほどたって、もうクラスもかわってしまったあと、ある日、先生に呼ばれて、
おまえの俳句が日本で優秀賞にえらばれたんだ、ここにいけることになっているんだけど。。。
と知らされた。

第1回世界こどもハイクキャンプ(広島県瀬戸田町)
http://www.jal-foundation.or.jp/html/haiku/nenpyou/nenpyou.htm


色んな国の俳句をする大量の子供たちが、親からはなれて、
瀬戸内海に浮かぶ生口島というところに集まって、
一週間ほどのキャンプをした。
ほんっとうに色んな国の人たちが小さな木造の小学校の教室で布団を並べてねむった。
南国の肌をして、すごおく目がぱっちりして茶色のきれいな長い髪で、すごおおくかわいい女の子がいて、
はにかむような微笑みを浮かべる
みたことないような美しさだった。
タイの王女様ということだった。
強烈な印象を未だに覚えてる。
地元の子との出会いもあり、
真っ黒に日焼けしてて、半ズボンでショートカットのすごい元気な女の子と仲良くなって
すごく暑いときで、日差しがいっぱいで、ひたすら駆け回って遊んで、
夜には、大人のお兄さんに望遠鏡で土星の輪を見せてもらった。

大人になって、一度その島を訪ねたけれど、すっごおおおおおく素敵な島だった!

子供の頃のこの充実感、濃密感、
なにか、みかんをぎゅうーーーっと搾ったような、この感じってなんなんだろう。
没頭感。

私は当時画家になりたくて、そればっかりかんがえていて、
いつか画家になって外国に行くんだ、って思っていた。
画家にはなっていないけど、
よく考えたら、こういうことが多分、私の外国に行きたい!って気持ちを支えていて
今周りにいてくれる人との出会いを作ってくれたんだなあと思う。
今大事な人たちと、人生の中で巡り会えない人生はやだった。

なにか未来の事を、こうでなくてはならないとか、心の中できめちゃうと
遡って、そんなことできる才能ないかもしれない、とか
それなのになんで生きてんだー、とか
今が苦しくなっちゃって、動けなくなっちゃうから、
楽しみの気持ちで、夢、いっぱい持って、
何にも考えずに没頭したい。
願わくばあのときの気持ちで。


私(大人版)撮影 @生口島

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