Sunday 27 May 2007

麻痺

変な夢を見た。
小さくて赤い服を着ておかっぱの髪をして
顔がひん曲がって目がやたらに大きく吊り上がった女の子がでてきて、
その子はたった一人で、大勢で仲良ししてる幼稚園児の群の一人にむかって、
あんたの態度は全部自分を良く見せたいってだけじゃない!
と必死の声で叫んだ。
その言葉は私の口から現実に発せられて、その声の大きさで
自分でびっくりして目を覚ましてしまった。

一つ一つの誰かとのやり取りで、
なんでもっとこう答えられなかったんだろうーー!とか
みんなが輪になってるところにはいっていけないで、
遠くの方にはなれて座ってしまって、なんとなく挙動不審になってしまう事や、
JohnとかOleとか声をかけにやってきてくれてほっとすることとか、
そういう、積極的にいけなかったり、受け身な事、
優しくされるのを待ってる事、
いちいちのexcuse、
どんな風にみんなから見えるんだろう、
うざいかな、こんな風にしたらいけないかな、そういうnegative thinking、
それで悲しくなってしくしく泣いて、
かわいそうな気分になるとき、奥の奥のほうで冷めた警鐘が確かに鳴っていた。
その警鐘の音が夢の中でこの小さな女の子の口を借りて、ずばっと示された。
誰かに守られたいだけだという無意識の甘えがばっちり顕在化された。
爽快だった。

お昼あんまり天気がいいのでサンドイッチをかって
クリケットフィールドの脇の木陰にべったり座り込んでもぐもぐ食べた。
誰もいないフィールド。
しかしオーストラリア版カラスみたいな黒と白の鳥
(だけどこの鳥が信じられない美しい、オカリナみたいな声でなく)
が二羽真ん中でくつろいでいた。
何も考えずに食べた。

officeにもどって、音楽をイヤホンで聴きながら、論文の投稿のための調査と本を読む。
しばらくすると同室のOleが土曜日なのにやってきた。
(私はOleと二人部屋。)
しばらくするとDavidまでやってきた。不意打ちすぎて、びっくりした。
ものすごい早くて力のはいった独特の英語でいう、
どう?少し哲学のことになれた?なにやってるの?論文?何について?新しい事?リジェクトされたの?どこに出したの?次はどこに出すの?何を直す事にしたの?だからカーネマンの事調べてるの?カーネマン、僕たちが会ったあの学会に来てたね。覚えてる?クルーズにものってたね。
ところで昨日パーティー来なかったね。疲れてたから?いいパーティーだったよ。景色が良かったよ。55階にある家でやったから。景色が良い家はいいなあ。
(そこで、Oleがgoogle earthをいじりだす)
ちょっと、これで昨日のところみてみようよ、ここだよ。
わあこの3Dはすごいな。ここがあれでここがあれで。。。
絢子の家をみてみよう!住所は?Hadano?で、どこ?どの家?ランドマークないの?探して。眺めはいい?
じゃあ次は僕の兄弟の家は?
とひとしきり遊ぶ。
この疾走感、どこかでみたことがある気がする。

そしてまた、絢子、まだホテル住まい?遠い?どこ?(とまたgoogle earth)
え!ここ?なのに1時間かかるの?
そうしたら「だから僕は思うけど」とOleが立ち上がり
「絶対こんな風にして歩いているに違いないと思うよ」といって、
ふーーむ、ふーーーーーーうむ、と考え込んで部屋を歩き回った。
Davidも一緒になって、ふーーむ、ふーーーーうむと歩き回る。
そこでDavidがはっとして、
そうしたらさ!ホテルからもうすぐアパートにうつるんでしょ!?どこ?(とまたgoogle earth)
それじゃさ、絢子にとっては毎朝2時間だよ!と二人は笑った。

キャンベラはやたらアジア料理の店が多くて、というかそれだらけだ。
今日は夕飯に韓国料理のこじんまりしたお店に一人で入って食べてたら、
日本人の女の子の群れがやってきた。
なんとなく緊張してなるべく平静を保った動きを心がけた。
声をかけようかな、という気持ちもなかった訳じゃないけど、
ただただ耳をダンボにした。
なんとなく心がひんやりした。
目の前の豆腐チゲと白いご飯であったまった。

なんか自分の姿がよく見えない。色々全然解らない。
何も感覚がなくなったような感じもあるし、
全然余裕なようで突然のしゃっくりのような涙にも襲われる。
きっとなんとかこれを乗り越えたら私もきっと変わってる。

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