Tuesday 20 April 2010

人々編

その、推定アーティスト、ということがなぜわかったかといえば、
その人がマリーナと向き合って座っている間、
それがあんまり長いと感じた人が
マリーナと彼女の向き合っている正にその真ん中に向かって、
「そんなに長く座ってたら俺等の番までこねえだろ、ちったあ考えろよ!」
と怒鳴ったからだった。

マリーナと彼女はそのまま続けていた。
しばらくして、彼女は戻ってきた。
そこへ例の人がやってきて、また文句を言った。
そうしたら彼女は、
「みんな何時間でも待ってるのよ。私は7時間だって待ったって大丈夫!私のpieceの邪魔をしないでくれるかしら!どうも!」
と大きな声で言って会話を打ち切った。

その時、私はもう順番が迫ってきており、色んな意味で動揺した。
そうして、前の方にいる私たちに後ろの方の人たちが話しかけてきた。
「長すぎるよね?一人どれくらいとか決まってないの?」
私は何にも答えたくなかった。私は助けを求めて隣の人を見てしまった。
そうすると仕方なさそうに私の隣の人が答えた。
「決まってないわ・・。」
「でも人があんなに待っているんだよ?」
「ええ。でも、最初から並んでる人はもう5時間も待っているのよ。私はこれで、ここに来たのは三回目。
今日までは、自分の順番が回ってこなかったから、今日こそはって、開館と同時に来たの。
多分、さっき叫んだ彼は、ちょっと前に来て、状況が分からずに言ってしまったんでしょう・・・」

その、妨害にあった彼女は、その次の日も、そのまた次の日も、カツラを変えて並んでいた。
だから私はそういう風に推定したのである。

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