Friday, 10 May 2013

タリーズ閉店

大好きな本厚木タリーズ。
ここで訳した本四冊。
うち出版された本二冊。友人に製本してもらって展覧会に出した本一冊。

四年通った。
今日で閉店。


きっと変化はちょっとずつ起こってた。

私にとっては、翻訳のお仕事は、全部このお店でやったことになる。
感謝の気持ちでいっぱい。私の居場所だった。

誰かにとっては、
あれ?ここに何があったっけ。
ってこともあるんだろう。

いつものように、今日、本を読みに行って、
帰り際、おとといこのタリーズで買った水筒に、コーヒーを入れてもらった。
ありがとうございました、ありがとうございました、って言葉と笑顔で全てだった。

水筒というものには、フィリピンに行った友人が使ってて、
何度かわたしにコーヒーを入れてくれた思い出があった。
きっと人は記憶で新しい何かを好きになる。
その友人が、今日の朝、メイルをくれて、アントニオ・ロペスみてきてほしい、といった。

そのまま、渋谷のアントニオ・ロペス展に行った。
いつだって死に向かっていることは、本当のこと。
砂の山が風で崩れていくように、何の痛みもないかのように、破綻なく。
ロペスの絵には、
ほんとうに、ささやかな一生物の感触としての、
あたたかな、ちくっとした痛みが、ちくっちくっちくっちくっと、
時を刻んで、ずっと響いているような気がする。


今日の朝は、不思議なことに、めずらしく私に小包が届いていたのだった。
兄のお嫁さんのお母さまからだった。
須賀敦子さんと武田百合子さんの本が4冊も!
編集者だったお母さまが、この間お会いしたときに、
女の作家に出会っていないといった私に、
大好きな本だとお薦め下さっていたものだ。
ものすごく素敵な装丁の本だ。
そして葉っぱの形のしおりに、

お手紙が。

感激して、お手紙を書こうと思っている。



(あけるのが今、23時になってしまったために、ご本人にお礼をお伝えする前に、感激そのまま、ここに書くことになってしまった。)

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