山の畑の中にうちのお墓はある。
お盆になると、庭の入り口に、ご先祖様が滞在するようの、砂のおうちを作る。
毎日夕方お線香を持って近所のそのおうちをまわることになっている。
母親がお墓に行って、ご先祖様たちを連れてくるのだけれども、
いつも母親は、おんぶするように、腰を曲げて、腕を後ろで組んで、
よっこらしょ、とうちからお墓までの400メートルくらいの坂道を歩いてくる。
私も一緒に行くときは、私も面白がって同じようにするのだけれども、
これって、一回一人ずつ?ときくと、
母は、うふふとわらって、いいの全員背中に乗ってるの、と答える。
ご先祖様達のお帰りは、川だ。
うちからお墓と反対方向に300メートルくらいいったところの川に、
お団子やらなにやらを持っていって、
キュウリや茄子の馬などを流す。
お盆の前になると、お花を買いに行ったり、お墓の掃除に行ったり、
両親が何となく殺気立つ。
お坊さんが来るよ、と友人達にいったら、本格的だねえと驚かれたけれども、
本格的というふうにはいえないかもしれないし、
おじいちゃんが生きているときより、砂のおうちも適当だけど、
母と一緒に、おじいちゃんを迎えに行くその時間は、
とても好きな時間である。
この土地なのか、この母なのか、
なんとなく、幸福な気持ちになってくる。
Sunday, 12 August 2012
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