茂木さんのTwitterに影響され、二期会オペラ『サロメ』を見に行った。
聖人は聖人で、俗人を無視し、
俗人は俗人で、聖人を軽蔑した。
どちらともいえないような人ばかりがいた。
みんなどこかに盲点があった。
「顔を見つめてはいけない」
何度もその詞が出てきた。
そして、演出にあった、ドアのこと。
聖の人も、俗の人も、どの人もみんなシェルターの灰色の壁にチョークでドアを描いて、
悲鳴のような音楽の中で、どんどんどんどん叩いてた。
でもどのドアも、決して開かなかった。
それで人が死んだ。
でも、この演出の中では、ヨカナーンの首が切られるのは象徴で、実は生きてた、
象徴を殺すことによって、
二人は愛し合うことが出来た。
理想を殺すのでなく、また現実を殺すのでなく、
「どうせ」と「そうでなければならない」を殺せばいいんじゃないか、
そんな気がした。
(こういうところ、オペラって、(っていうかこの演出をした人って)本当にすごいなあ、と思った。
音楽も、歌詞も変えることなく、演出で、意味が180度変わること。
ヨカナーンは首を切られてしまったことになっているけれど、
舞台上で矛盾無く存在させることが出来るんだ。
意味というのは、本当にどんな風にも変えることができるんだ。
ここに対峙ということがあり、一人一人の戦いがあるんだ)
『愛の神秘は死の神秘よりも深い。』
とにかく興奮冷めやらず。
Monday 28 February 2011
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