Monday 28 February 2011

サロメ

茂木さんのTwitterに影響され、二期会オペラ『サロメ』を見に行った。

聖人は聖人で、俗人を無視し、
俗人は俗人で、聖人を軽蔑した。
どちらともいえないような人ばかりがいた。
みんなどこかに盲点があった。
「顔を見つめてはいけない」
何度もその詞が出てきた。

そして、演出にあった、ドアのこと。
聖の人も、俗の人も、どの人もみんなシェルターの灰色の壁にチョークでドアを描いて、
悲鳴のような音楽の中で、どんどんどんどん叩いてた。
でもどのドアも、決して開かなかった。
それで人が死んだ。

でも、この演出の中では、ヨカナーンの首が切られるのは象徴で、実は生きてた、
象徴を殺すことによって、
二人は愛し合うことが出来た。

理想を殺すのでなく、また現実を殺すのでなく、
「どうせ」と「そうでなければならない」を殺せばいいんじゃないか、
そんな気がした。

(こういうところ、オペラって、(っていうかこの演出をした人って)本当にすごいなあ、と思った。
音楽も、歌詞も変えることなく、演出で、意味が180度変わること。
ヨカナーンは首を切られてしまったことになっているけれど、
舞台上で矛盾無く存在させることが出来るんだ。
意味というのは、本当にどんな風にも変えることができるんだ。
ここに対峙ということがあり、一人一人の戦いがあるんだ)

『愛の神秘は死の神秘よりも深い。』

とにかく興奮冷めやらず。

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