滋賀県立近代美術館の白洲正子さんの展覧会『神と仏、自然への祈り』で
ものすごく印象に残ったものがあった。
(1)夫須美大神坐像
これは東京国立博物館の『伊勢神宮と神々の美術』で一度お目にかかったことがあって、
そのときは、本当に、こんなものはじめてみた、と思った。
本来の日本の形はこういう形なんですか・・・という感じで、
私のギスギスした、「こうでなければならない」というような、「信じる」の在り方が馬鹿みたいに思えるような、
おおらかで、でも、ずーんとくるような、なんだかわからないどっしりとした感じ、それはずっとずっと心に残っていて、
今回これは、私の宿題かも知れないな、と思ったのだった。
(2)円空 観音像群像
森の中の木々一本一本の精霊が現れたのを見るようだった。
(3)十一面観音立像押出仏
円空の観音像群像と同じように、紙に観音様が自然に現れたのを見たような感じで、本当に驚いた。(しかもこれは紙じゃなく、銅板のようなものなのだ。)
(4)ずずい子
これはものすごく恐ろしかった。息の止まるような、心臓まで貫かれるような。
私はこの恐ろしさを味わったことがある、と思った。
青森に行ったときだろうか、チベットのこの絵だろうか、それとも、自分自身に起こった出来事だろうか、
はっきりとしない、けれど、確かに私にとってとても大切で恐ろしい経験と似ていた。
正直に言うと、白洲正子さんのことは、全然知らない。
私とは全然違う人だな、と思う。
でも、今のわたしにない、それ、というような感じが確かにあって、
それが夫須美大神坐像に現れているようなものだという感じがするのだった。
本当に行って良かった。
Sunday, 31 October 2010
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