黒澤明ってどんな人だろうと思ってDVDをいくつかみている。
早くて、リズミカルで、情熱があって、頭が良くってとってもいい。
すっごく刺激されるし、何度でもみたい。
だけど、心の奥の芯に触れて、”ああ、この感触だった”という感じがしたのは
昨日見た小津安二郎の「お茶漬けの味」。
普段、色々な人や、ものを、素敵だな、と思うけれども、
こういう感触に出会うと、あーそうか、魂に本当に触れるときはこういうかんじだったよなあ、と思う。
自分の心も触られて、ああ、あった、心がここに、と気がつくということがあるんだなあ。
小津の映画には、良い人、悪い人というのがない。
東京物語で、おばあさんとおじいさんをひどい目に遭わせる子供たちも、そういうのとは違う。
お茶漬けの味の奥さんも、ひどいことするけど、
私はすっごく、うっ、私もしてる、これを、とおもった。
大好きな人には自分のこと全部受け入れてほしくて、生活スタイルやそういうもので相手を試して、
一度、気に入らないとなれば、口も聞かずに音信不通。(その間に旦那様は出張で外国にいかなきゃならなくなって、いってしまうともしらずに。。)
それは外に見える、愛以外のものを拠り所にしてるから、見えないだけで、
本当は異常なほどの愛をもらってる。
夫婦の間、とか家族とか、身近な話だから派手な良いとか悪いにならない、とかそんなんじゃなくて、
良い悪いだと包容しきれないのだ、生命を。
東京物語での、おじいさんの、おばあさんが亡くなった朝の、”今日も暑うなるぞ”は、
私には耐え難いほどの、生と死の生命への賛歌。
愛が蘇った。
Sunday, 6 April 2008
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
1 comment:
これこれ。号泣しましたよ。筋はすっかり忘れてしまって強気な奥さんの感触しか残ってませんが。
Post a Comment