Wednesday 23 May 2012

2012年5月21日 金環日食


4時33分が日の出だということで、4時半におきる。
目を覚ますと、なんだか音がする、そんなの嘘だと思いながら、雨戸を開けると、
さーさーと雨が降っている。
雨なんていってなかった、と動揺するけれども、
鳥が楽しそうにたくさん鳴いている、これは晴れると信じ込む、
二階のベランダに出る。(少しだけ屋根がある、風のないまっすぐの雨だったから、ほんの少しの屋根でも、壁にぴったりくっついていれば大丈夫そうだった。)
こんな時間に、こんなに明るいんだなあ、と思った。

雨はふったりやんだり、黒い雲は少しは動いていくけれども、
それより上に分厚い雲がかかっていて、
結局、7時半まで一度も太陽は見えなかった。

Twitterを見てみると、
東京は晴れているらしい。
いいもん、確かに起こっているもん、鳥とか温度とか、経験できることはするんだもん、と自分にいいきかせる。

外にいるのはとても寒くて、トレーナーの上に、カーディガンをきて、ズボンは二枚履きで、座り込んでいた。
部分食が始まる六時十八分を過ぎても
暗さの変化も、雲が厚いだけに、なんだかほんとうにわからない。
だんだん太陽が昇っていって明るさは変化しているはずで、
しかもだんだん欠けていっているはずで、相殺されちゃって、
私には、全然わからない。
鳥にも変化がおこるというけど、朝からずっと楽しそうに鳴きっぱなしで、
静かになることもあるけど、またすぐに鳴き出すし、
(それに鳥の声の区別が付く耳と記憶力が必要)
いったりきたりもたくさんしていて、
右から左が、左から右に飛んでいくようになった?
いや、そんなことはないな、とか、繰り返す。

母が途中で起きてきて、
雨なのに何やってるの、
かわいそうなこだねえ、といって
おにぎりをもってきてくれた。

それで、ちょっと楽しい気持ちになって、
ぼーっとして、
もうすぐ金環日食になる時間(7時31分から36分)という7時半に、
どーおー?と母親がやってきた。
ベランダより、こっちの方がきっとみやすいわよ、と兄の部屋の窓に移動。
その瞬間、はじめて、あ!あれ太陽じゃない、あそこじゃない!?結構高い位置だね、ほんと!?と太陽確認。
これは、見える、と母親は確信し、
大声で一階にいる父を呼ぶ、はやくはやく!
そして、父が階段をかけあがってきて、窓に到着し、見上げて、どこだどこだと探すと、
ぼやぁっと突然、ものすごく繊細な輪が見えた。
時間を確認すると、33分、金環日食がマックスになる時間だった。
三人で、見上げている。
なんだか涙がこみ上げた。

窓から身を乗り出した父の背中がなぜか、頭にこびりつき。
月と太陽だけでなく、なにかが、ぴったり重なった一瞬、というかんじ。
確かに存在した時間。

やっぱり、か、か、か、かめら!と叫んだ一瞬。



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