河出書房新社から、『脳科学者の母が、認知症になる』を出して頂いて、
あとひと月で一年になる。
この本の編集者の高木れい子さんから、増刷決定(五刷)のお知らせを頂きました。
買って下さった方、読んで下さった方、この一年新しい挑戦をさせて下さった方、
本当に、ありがとうございます。
『脳科学者の母が、認知症になる』は、
アルツハイマー型認知症で、その人がその人でなくなるなんてこと、なかった、
ということに私が気が付くまでの、日常で母を細かく観察した記録、科学的分析、物語です。
2015年に、母はアルツハイマー型認知症と診断されました。
認知症が、物忘れ、徘徊などという言葉で語られると、
もしも認知症になったら、自分が自分でなくなるような気がして怖くなる。
だから、ほんとうにそんなことが起こるのか、起こったとしたら、どんな感じで起こるのか、私にとって、世界で一番よく知っている人物である母について、
私は、もっと細かい言葉で語りたいと思いました。
認知症と診断されたばかりのころ、あるいは、病院に行く前は、
この先どうなってしまうのか、不安で私は毎晩泣いていました。
そういう時期を乗り越える力になる本だと、今、私は思っています。
これからも、どうか多くの方に、読んで頂けますように。
そして私は、生まれてからいままでずっと母と暮らしてきました。
診断から四年。母は「初期」という時期を過ぎているのだろうと思います。
能力で人を見るのではなく、ほんとうに「その人」を見ることはどうしたらできるのだろう、ということを、私は母に教えてつづけられています。
本は、診断から二年半の記録ですが、
最近の出来事はここで少しずつ、また書いていきたいと思っています。
Tuesday, 10 September 2019
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