背伸びしてこの間上海蟹を食べにいったときのこと。
あんまりぎゅっと小さな殻にオレンジ色につまっていて、
たべたことないような水の味がして、
なぜだか急に目の前に日光東照宮がきらきら光って見えた気がした。
舌から入る情報を受け取る精度が足りなくて、
わたしの中で味がびりりときまらなかった。
受け取れるものだけ受け取ろうとあきらめて食べた。
小学校の修学旅行が日光だった。
男の子は売店で木刀とかぬんちゃくとかを振っていた。
私も眠り猫の前を、猫だと思って通り過ぎた。
わからないものを全部そのまま覚えていられるといいのだけれど。
ざらざらざらとこぼれ落ちているかしら。
なんて頼りない。記憶の川の底で、
眠り猫は今も眠っているかしら。
明日は、最後の授業。
偉大な話を作りたいと思うと自分が空っぽなことに気がついてただ苦しいから、
今あるものを話す、それがほんの少しでも長く維持されるように。
Wednesday, 20 January 2016
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