Saturday 11 February 2012

Max Klinger

ルドン展で、マックス・クリンガーの銅版画、『A Glove(手袋)』シリーズに出会った。

これは、マックス・クリンガーが、美しい女の人が落とした手袋を拾うところから始まるシリーズ。

この中の『Homage (敬意)』では、海に突き出した岩の祭壇に、手袋が海の方を指して落ちていて、そこへ、海からバラの花がそれはもう大量に、どんぶらこっこと流れてきている。

一目で好きになってしまった。
いくら、感謝してもし尽くせないほどの、ばら。
何でそこまで手袋なの、というくらいのシリーズで、
あまりにも過剰で、どこか笑っちゃうと同時に、
ひたすら恐ろしく。
この人を好きになった。

彼女を「表す」手袋があって。
彼女はそこにはいない。
手袋自体が彼女となって。
もしかすると、彼女よりもおっきなものかも知れない。
そして、さわやかにすら感じられる、単純な、たくさんのたくさんの敬意。

私の持つ敬意も、どこか似ていた。
でも、最近は、神格化するよりも、真っ直ぐにみれたらというようなことも思う。

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