Wednesday 1 February 2012

1月31日のお年賀

The Big Issueという、ホームレスの方々が売っている雑誌がある。
二週に一度発行される雑誌で、一冊300円、そのうち、160円が販売者のお金になる。
貯めたお金で、また雑誌を仕入れ、あまったお金で宿泊施設に泊まるなどして、また、
貯めていくことで、アパートを借りて住所を持つということを目指す、というようなシステムだと聞いていた。
住所がないと、仕事を探す登録すらできないとも聞いていた。

この間、路上でこの雑誌を売っている人がいて、
草間弥生が表紙で、なんとなく、目があって、どきどきしながら、
くださーい、といって一冊買った。
「ここ、良く通るの?」
「はいー、時々通ります。」
「ああ、そう、あのね、まだあるからね、お年賀あげようね。」
「えー?」
「はい、僕は毎年こうしているから。」

5円玉と、5円玉の間に、50円玉がサンドイッチされていて、緑色のひもでむすばれたものと
手書きのお手紙が入っていた。
「お客様へ
平成24年一月吉日。
旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願い致します。」

なんだか、ものすごく感動した。
お年玉をもらった小学生のような気分になった。

どうしていいかわからず、おじさんをみたら、
にこにこしていた。

The poor are wise, more charitable, more kind, more sensitive than we are. In their eyes prison is a tragedy in a man's life, a misfortune, a casuality, something that calls for sympathy in others. They speak of one who is in prison as of one who is 'in trouble' simply. It is the phrase they always use, and the expression has the perfect wisdom of love in it. With people of our own rank it is different.
(中略)
If I got nothing from the house of the rich I would get something at the house of the poor. Those who have much are often greedy; those who have little always share.

from Oscar Wilde 『De profundis』

1 comment:

Anonymous said...

そのようにものすごく精神的に追いつめられた状況下にいるのに、にこにこと笑えるその人はすごいと思います。
私は異質な人間で、残念なことにこの国の文化は異質なものを排他しようとする性質があるので、そのことによるものかどうかはわかりませんが、私はこれまで社会から拒絶されつづけてきました。
明日、私も極貧の生活を送ることになるかもしれず、ですから、明日は我が身です。
私も笑うことができるかな?