Tuesday 25 December 2007

歴史, vision, 知性

私の核をなす一つ一つの好きなものが、
心の中でばらばらに散らばっている。
これしかない、と、出会った各々のピースが、
縦横無尽に飛び回っている。
こんなにもはっきりと、ある一つの作品、出来事、人、に対する愛が感じられるのに、
それらを貫く私の中の愛の原理がまだ見えない。
一本の線で結べたら、そのときなにか書けるだろうか。
上滑りのただの「知識」の言葉でなく、
「名前」のための作業でなく、
はっきりとした己のvisionのために。

「あの戦争は何だったのか」という本を一気に読んだ。
私の祖父は戦争に行った。
小さな頃、抑留された寒い土地で毎晩小屋を取り囲むオオカミの話を何度もせがんで聞いた。

私は一度も、歴史というものとしっかり向き合ったことがなく、なんだか、
これが現段階での私の苦しみを作り出している気がして、色んな気持ちをできるだけ想像しながら読んだ。
こんなことが書いてあった。
”大本営はこのアッツ島の全滅を、「玉砕」という言葉を使って国民に発表した。
まるでこの言葉には”潔さ”の美学があるかのようである。
しかし、そこには知性も理性も、国際的な感覚もない、
あるのは”自己陶酔”だけなのである。”
私のことだと思った。

"accessibleなvisionを作り出すことが大事だ”、といわれたことがぞっとする感覚とともに思い出された。

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